Toshi Nakamura
2017/01/30 - 07:36

By 中村 俊裕
共同創設者 兼 CEO

世界経済フォーラム ダボス会議に参加 (3)

さて、ダボス会議の3日目。本会議場でのセッションは色々と参加したため、毛色の違うセッションに参加することにした。場所も本会議場から30分ほどバスで行き、リフトで山頂に登ったところ。マイナス20度くらいだったろうか、リフトの中は凍えるほど寒かった。

特別セッションの行われたダボスの山頂から

今回参加した特別セッションのテーマは「自分の最高のパフォーマンスを達成するには」というというもの。元F1チャンピオンのニコ・ロスベルグが自らの経験を元に、話してくれた。

ライバルのレーサーはパーティーに明け暮れていたが、彼はレースに集中するために、生活を改め、コーチの指導を受けて瞑想始めたという。また、様々な国を行き来するため、時差と睡眠の管理を徹底したとも言っていた。「何時にどこをでて、何時にどこに着く場合は、この時間にアイマスクをして、睡眠をとる」など、非常に具体的な指示が出るのだという。やはり肉体的・精神的な健康管理は何をするにも基本だなと感じた。


F1時代の経験を話すニコ・ロズベルグ

特に印象に残ったことは、ニコはチャンピオンになるためにレーサーになって、家族を含めすべてを犠牲にして訓練をしてきたが、F1チャンピオンになった直後に引退を決意したこと。勝つことを目的にF1をやってきて、勝ったのでもうやめるという非常にシンプルなロジック。ユベントスのボードにいるという参加者が、「我々のチームは10連勝しているが、勝っても辞めず勝ち続けるということもできるが、辞め時とはいつなのだろうか」とコメントしていた。

さて、3時間ほどの濃いセッションを終え、リフトで山を下る途中、同席したトルコ出身YGLの参加者から勧められたセッションがあった。それは難民の実態をシミュレーションで体験するというもの。一日前に参加した彼女は、途中から涙が止まらなかったという。絶対行ったほうがいいという勧めで、急きょ登録し、「A day in the life of a refugee」というセッションに行くことにした。

シミュレーションの様子(Crossroadsのサイトより)

これは、Crossroadsという難民を支援するNGOが企画運営しているもので、約30分だけだが、難民としてIDを渡され、キャンプでどのようなことが起こっているかを実際に難民として体験できる。そして、難民キャンプの運営の役を演じる人の中には、コンゴやパキスタンでの難民キャンプで生活した実際の人がいたため、リアル感がさらに増す。

実際に体験してみて感じたのは、恐怖感と喪失感。Crossroadsによれば、実際の経験の15%くらいだという。我々は30分だけのシミュレーションだが、現在は難民一人平均19年をキャンプで過ごすという。しかしこれは想像を絶する長さだ。

難民の方々の現状を肌で感じてもらう方法としては、非常に効果的だ。写真や映像だけよりもずっと説得力が増す。コペルニクとしては、同じことはできないだろうが、もっとout of the boxな方法がありそうだ。

次回は会議の間に会った人の例を紹介する。