Toshi Nakamura
2017/04/21 - 05:58

By 中村 俊裕
共同創設者 兼 CEO

イスタンブールでのインパクト評価についての会議

今月4月10-11日にイスタンブールで開催されたSocial Value Matters 2017という会議に参加してきた。この会議はSocial Value International (SVI)が主催したもの。この団体は、もともと別団体であった、Social Return on Investment Netowrk (SROI Netowrk) とSocial Impact Analyst Associationが合体したもの。元SROI Networkの代表ジェレミー・ニコール氏が引き続き代表を務めている。

-

イベントのポスター

-

コペルニクのスタッフのラナがかれらのワークショップに参加したり、アジア・ベンチャー・フィランソロピー・ネットワーク(AVPN)の会議でジェレミーと同じパネルで登壇したりと、SROIネットワークとは、以前より何度か繋がりがあった。私が先日参加したアルメニアのインパクト投資に会議でもジェレミーと一緒だったので、その際にイスタンブールの会議に誘われ、コペルニクスタッフのアナと二人で参加することになった。

ヨーロッパ、アジアなどから200人ほどが参加していた。内訳はコペルニクのような実務団体や、大学の研究者、そして、インパクト評価を行うコンサルティング会社など。インパクト評価におけるステークホルダーの関与の仕方、方法論、出てきたデータの共有の仕方などが議論された。コペルニクは今後の新たな方向性である「Lean Experimentation」について共有し、議論するセッションを持った。

-
Lean Experimentationに関するコペルニクのセッションの様子
-
今回の会議での2つの気付きを共有してみたい。
1: ソーシャルセクターにおけるインパクト評価はますます重要度を増している
非常にニッチな分野であるインパクト評価の会議で、これほど世界中から人が集まってくるということには正直驚いた。通常のフィランソロピーだけでなく、インパクト投資への機運が高まっている近年は、やはりどのように社会的変化を数値化するのかはセクターの存在意義にもかかわってくるからだろう。
-
-
2: インパクト評価の方法は一つではなく、時と場合によって異なったやり方が適切だという認識が強まってい
SVIも、SROIという看板がついていた時代は、SROIの方法論(社会的効果を金額に置き換えて、活動を行った場合と行わなかった場合のROIを比較する)を浸透させることに注力をしていたが、それだけに固執していては、興味を示さない団体がいたようだ。会議でも、SVIになってからインパクト評価という大きな課題がセクター全体に浸透しやすくなったというコメントも何度か聞かれた。
コペルニクとしても、何度かSROIを使って自信の事業の評価をしたことがある。具体的な数字で効果が図れるので、非常に有用な方法だ。ただ、数年かけることが普通のランダム化比較試験(RCT)や、今後のフォーカスの一つである、Lean experimentation (小規模・短期的な比較試験)などの他の方法論と並列に位置づけ、必要に応じて使い分けることが最も良いのだろう。